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安曇野育ちの20代歌人・中野霞さん 松本で短歌会を企画

「まつもとたんかのかい」を始める中野さん

 令和元年の第62回短歌研究新人賞を受けた安曇野育ちの歌人・中野霞さん(26)=諏訪郡下諏訪町=が19日、松本市清水1の古民家・松本深呼吸で、「まつもとたんかのかい」を始める。短歌に興味がある人なら誰でも受け入れ、参加者を募っている。

 中野さんは小学校高学年のころ、祖母の影響で短歌を始めた。「五・七・五・七・七と教わっただけ」で面白さを感じ、自分の感性だけで誰にも言わずに短歌を作り続けた。穂高西中学校3年生の時に「あの人のまつ毛が長いことだけが分かった今日の英語の時間」の1首で、第25回全国短歌フォーラムin塩尻学生の部の最優秀賞を受けて母親を驚かせた。
 松本県ケ丘高校、信州大学人文学部を卒業し、現在はデザイナーの仕事をしている。昨年5月からは諏訪郡富士見町の書店で毎月1回、短歌に親しむ会を開いている。30~40代を中心に、さまざまな作家の作品を紹介したり、持ち寄った作品を読んだりしている。
 短歌研究新人賞を受けた作品集の1首「らうたしと口に出すとき思い出すあの自販機のふるふるゼリー」は、古語で「かわいらしい、いとおしい」といった意味の「らうたし」と、現代の「ふるふるゼリー」が時を超えて出合い、歌そのものが「らうたし」という感覚で思わず顔がほころぶ。
 中野さんは「自分にとって短歌は詩。言葉が飛躍し、美しい。制限されるから誰でも遊べる。ぜひ若い人に楽しんでほしい」と話している。
 19日は午後7~9時で、定員20人。参加費小中高校生500円。大学生700円、大人1500円。毎月1回開催予定で、6月は23日を予定している。申し込みはQRコードから。または中野さん(電話080・5145・8962)へ。