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全国短歌フォーラム 大会と学生の部とりやめ 本年度から

本年度から書面開催のみになる「全国短歌フォーラムin塩尻」の投稿用紙

 全国各地の短歌愛好者が参加する「全国短歌フォーラムin塩尻」の実行委員会は第37回の本年度フォーラムから、愛好者が会場に集う大会形式の開催はやめると決めた。短歌作品の募集・選考は継続し、書面のみの開催とする。同フォーラムの「学生の部」も廃止し、市内の児童生徒に限定した短歌の催しに切り替える方向で調整している。

 大会の参加者や来場者が減る中、新型コロナウイルスの影響で令和2年度から3回連続で大会開催を中止した。昨年度に短歌投稿者ら683人にアンケート調査を行ったところ、「短歌大会に参加したいが高齢化や遠距離で困難」との声が多かった。これらの状況を踏まえ実行委が判断した。
 短歌フォーラムは昭和62(1987)年10月に第1回大会が開かれた。投稿者数は平成8(1996)年の第10回の3440人(3440首)をピークに減少傾向にあり、昨年度は973人(1889首)にとどまった。
 一方、学生の部は若い短歌愛好者の掘り起こしに力を入れるため、平成19年に「一般の部」と切り離して、単独で無料開催してきた。子供たちの表彰式の来場や個人情報の取り扱いの難しさもあり、併せて見直した。
 本年度の投稿歌は6月16日まで、郵送とインターネットで募っている。自由題と題詠歌の各1首計2首までで、題詠は「本」。投稿料1000円。子供の作品も募る。歌人の佐佐木幸綱さん、永田和宏さん、小島ゆかりさんによる選考、作品集の制作は従来通り行う。実行委事務局の市社会教育スポーツ課の清水柚果さんは「ゆかりの地として日本の伝統文化を大事にしたい。興味を持って短歌を作ってもらえれば」と話す。

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