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面会制限緩和か継続か 5類移行で各病院悩む

面会制限の緩和を知らせる相澤病院のデジタル掲示板

 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の扱いが8日、季節性インフルエンザと同等の「5類」に移行されたことに伴い、松本地方の総合病院では入院患者とその家族らとの面会制限を緩和する動きが見られた。一方で全面禁止を継続する病院もあり、判断が分かれている。

 面会を全面禁止していた総合病院のうち、相澤病院(松本市本庄2)は患者の家族に限り1日1回、午後2~5時の間に2人以内で10分間の面会をできるようにした。産婦人科では立ち会い出産も再開した。信州大学医学部付属病院は午後3~6時の間に2人以内15分の面会を可能にした。安曇野赤十字病院(安曇野市豊科)はタブレット端末を用いたビデオ面会(1回10分)のみとしてきたが、午後1~4時の間に2人以内30分の面会をできるようにした。
 一方で、桔梗ケ原病院(塩尻市宗賀)は入院患者の9割を高齢者が占めることから、従来の窓越しかタブレット端末を使った面会方法を継続する。北アルプス医療センターあづみ病院(池田町池田)は「人口10万人当たりの罹患率が改善していないことなどを考慮し」面会の全面禁止を継続する。今後どのタイミングで緩和するかは「総合的に判断する」としている。
 国立病院機構まつもと医療センター(松本市村井町南2)は3月22日に、松本市立病院(松本市波田)は3月24日に、それぞれ面会を再開しており、その方針を継続する。松本医療センターはコロナ禍以前はいつでも面会できたが、新型コロナ以外の感染症対策や働き方改革も考慮して、基本方針として午後2~4時の間に2人以内30分と定めた。松本市立病院では午後2~3時の間に2人以内10分、1病棟につき3組までとした。
 相澤病院の寺澤大治広報企画室長は「10分では短すぎるとは思うが、少しでも面会できるようになって良かった。立ち会い出産の再開も喜ばれると思う。ようやく一歩前進した感じ」と話していた。