政治・経済

GWの人出、コロナ前並みに 中信地方の観光地

松本城天守の見学待ちをする来場者。待ち時間は最大で2時間となった(3日)

 中信地方の観光地は大型連休・ゴールデンウイーク(GW)の期間中(4月29日~5月7日)、多くの行楽客が訪れた。新型コロナウイルス感染拡大前に近いにぎわいが戻ったところが多く、外国人観光客が急増した観光地も目立った。

 松本城(松本市)は期間中、3万9845人が来場した。ピークは4日で、天守を見学する待ち時間が2時間という状態が午前から続いた。1日平均の来場者数はコロナ禍前の水準には届かなかったが、前年比13・1%増の4427人となった。期間中の外国人の来場者数は、前年の約5・2倍の2460人だった。
 松本市内の宿泊施設は期間中盤に満室となるところが目立った。ただ、美ケ原温泉のある旅館では、コロナ禍前は年配夫婦と娘といった組み合わせの常連が夫婦だけで滞在するなど、1室に宿泊する人数が減った状態が今年のGWも続いた。経営者は「売り上げは期待したほどは伸びず。働き方改革が進み、スタッフの確保にも苦労した」とこぼした。
 安曇野市の国営アルプスあづみの公園堀金・穂高地区の入園者数は前年比24・4%減の約4万4600人だった。無料入園日が1日のみだったことが大きい。4月の入園者数は過去最多だったといい、広報担当は「チューリップの認知度が高まった」と分析する。大王わさび農場は客数、売り上げとも昨年実績を大幅に上回った。
 塩尻市の奈良井宿は3日から5日にかけてはコロナ禍前と同様のにぎわいだったという。奈良井区の斉藤武仁観光文化委員長は「欧米からのお客さんの姿も目立った。観光誘客の完全復活に向けて期待できそうだ」と話した。南木曽町の妻籠宿は期間中、乗用車4608台、バス51台が訪れた。妻籠宿と馬籠宿(岐阜県中津川市)を結ぶ馬籠峠では峠の茶屋前を通過した外国人客が920人いた。昨年の方が期間が1日長いものの、前年の約17・6倍となった。住民団体・妻籠を愛する会は「コロナの影響はかなり少なかったように思う」とする。