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坂井いちご園の指定管理者に「ちくほく農場」 若手農家が観光振興へ意欲

新たに坂井いちご園の指定管理者となったちくほく農場の小松社長(右から2人目)ら中心メンバーたち

 筑北村坂井の村体験農園施設・坂井いちご園の本年度からの指定管理者に、地元の「ちくほく農場」が指定された。村の若手農家が平成30(2018)年に設けた会社で、中心メンバーは県農業大学校(長野市)作物コースの同級生同士。社長の小松知寛さん(29)=坂井=は園の運営や他施設との連携で村の観光振興・活性化を図ろうと意欲を燃やす。

 小松さんは松本市出身で、祖父で農家の三輪和美さん(91)=坂井=の跡を継ごうと坂井へ移り、更級農業高校(長野市)で学び会社設立を志した。
 ちくほく農場には、いずれも県農大時代の同級生の埋橋佳佑さん(29)と小山渡さん(29)が村地域おこし協力隊員を経て入社、前指定管理者時代から園で施設責任者を務める隊員の冨田陽介さん(29)も来年度に合流する予定だ。地域の田畑で米・ソバ約30ヘクタールの栽培も担う。
 小松さんは20歳ころ、地元の生産組合で園の運営を任されたが、経験が浅かったこともありうまくいかず、指定管理を村へ返上した苦い経験がある。後を引き継いだ村開発公社が、多品種栽培やネット経由の予約導入などを通じ、運営を立て直した。
 ちくほく農場は公社時代の運営に学ぶ方針だ。将来はイチゴ狩りをより充実させ、周辺施設との連携イベントを企画したいという。小松さんは「品質とサービスを向上させ、一帯を村有数の観光名所に育てたい」と語る。
 問い合わせは同いちご園(電話0263・75・8311)へ。