2023.5.8 みすず野
石川県珠洲市のゆるキャラ「みつけたろう」は、能登地方のシンボルとうたう観光名所・見附島の妖精だ。手足が小豆と大豆で、髪飾りは市花ツバキ。島は朝日の絶景で知られ、条件がそろうとはるか遠くの北アルプスも望める(同市ウェブサイト)◆海なし県の信州の人にとって能登は憧れの土地である。海沿いのいで湯や砂浜のドライブ道、魚介が並ぶ朝市...思い出をお持ちの方も多いだろう。連休のさなか鳴り響くスマホのアラームに肝をつぶした。当地でも少し長めの揺れを感じ、わが家に近い松本城から地震の発生を告げるアナウンスが聞こえてきた◆災害はいつ、どこで起きてもおかしくない―言い尽くされたことではあるけれど―万一の時の行動を家族で話し合ったり、日頃の気掛かりを一つでも解消して備えたり。ひとごとではないと教訓を得る機会にしたい◆奈良時代の万葉集にその名を残す大伴家持が能登を旅した折、「珠洲の海士が潜って採る真珠を500個ばかり手に入れ...都の貴女に贈りたい」というような長歌を詠んだ(同)という。被害に遭われた人たちが早く元の生活に戻れるよう、北アの麓から祈りたい。