地域の話題

木曽発アートで文化育もう 芸術家グループGR19が発足

展覧会会場の家屋を背にフェルトを使った作品作りをする生徒ら

 木曽地域を拠点に活動するアーティストグループ「GR19」(ギャラクシー・ルート・ナインティーン)が発足した。木曽を舞台とする芸術プロジェクト「木曽ペインティングス」の参加者らをメンバーに、新たな文化をつくり発信していく。9~10月にかけて展覧会を企画し準備を進めており、28日は大桑村の会場へ松本県ケ丘高校生徒が見学に訪れ学びを深めた。

 木曽地域を南北に通る国道19号を「銀河国道19号」と見たて、グループ名をつけた。山に囲まれ閉ざされたイメージもある木曽谷も、空を見れば宇宙へと開かれている―という発想を元に、木曽から想像力を広げ発信し、道のようにあらゆるものとつながっていくことをコンセプトにする。
 秋の展覧会の会場となる大桑村殿の空き家を改修した文化スペース「LAMORA」を訪れた県ケ丘高校の3年生73人は、準備を進めるメンバーから活動の趣旨などを聞いた。三つの体験講座も用意され、会場の土壁作りや、かつて村内で盛んだった養蚕にちなんで、フェルトを使った繭玉、成虫をイメージしてパネルに描く絵画作品の制作をした。作家と対話をしながら、豊かな自然の中で熱心に取り組んだ。
 自然や芸術に触れ考え方を深める探究学習の一環で、矢野颯世さん(17)は「『自然を糸口にアートに触れていく』という話を聞き、アートが得意でない自分にとって気付きがあった」と話していた。
 展覧会「土着とストリート」は9月23日~10月22日に予定し、生徒が描いたパネルも展示する。地域住民とコラボをした企画なども準備しており、GR19代表の画家・岩熊力也さん(53)=木曽町日義=は「木曽の閉塞的なイメージを打破したい。古くからの街道文化がある木曽路で、道をイメージに新たな文化をつくっていければ」と力を込める。