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コロナ「5類」移行へ対策手探り 「終息はまだ」緩和に不安も

アクリルのパーティションを外したカウンター。割り箸も箸立てに入れ、カウンターに出したが、調理場との間のビニールの仕切りは残した(松本市大手4の広東)

 新型コロナウイルス感染症の法的な位置付けが5月8日、現在の2類から、季節性インフルエンザと同じ5類に移行する。松本地方の市村や事業者は手指消毒といった基本的な事柄を継続させながら、一部対策を終了させる。新型コロナが完全に終息したとはいえない状況の中で、手探りの対応を進めている。

 松本市は5月7日に市新型コロナ感染症対策本部を廃止し、新型コロナ対策チームを解散する。ただ、受診や相談に関する体制は9月まで維持する。市保健所による感染者の報告は毎日から1週間に1度にする。市役所庁舎内や支所、出張所などの手指消毒液は当面置き続けるが、検温機器は撤去する。市立病院の発熱外来は当面継続する。
 安曇野市は職員に、窓口対応や庁内移動の際のマスク着用を求めてきたが、来庁者と同様、個人の判断とする。塩尻市は、市北部交流センター・えんてらすの席の利用制限をやめる。安曇野・塩尻両市ともに市施設での手指消毒、アクリル板・検温機器設置は続ける。
 民間でも各事業者が必要な対応を整える。松本信用金庫(松本市丸の内)は職員のマスク着用、来店者の手指消毒を継続する。アルピコホテルズ(松本市本庄1)は来館者の手指消毒を続け、宴会時にテーブルを仕切るパーティションを、希望に応じて出せるように用意する。ホテルニューステーション(同中央1)はマスク着用を従業員に求めてきたが、「今後はそれぞれの体調に応じて任意としたい」とする。
 コロナ対策の緩和を進めながら、今後を心配する声もある。中華料理店・広東(同大手4)では4月からアクリル板を外し、箸置きに置いて1人ずつに出した割り箸を、箸立てにまとめる従来の形に戻した。一方、手指消毒用のボトルと、カウンター前の透明なビニールは残す。店主の鈴木裕孝さん(69)は「コロナがなくなるわけではないので、(来店者に)強要はできないけれど、マスク、手の消毒をしてもらえれば」と話していた。

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