政治・経済

まつもと市民芸術館に監督団設置へ 検討委が答申

臥雲市長に答申書を手渡す青山委員長(左)

 まつもと市民芸術館(松本市深志3)の次期芸術監督の候補者などを検討する「芸術監督制」の検討委員会は26日、臥雲義尚市長に答申書を提出した。「演劇」と「舞踏」を専門とする芸術監督2人と、劇場や地域の魅力を発信するアドバイザー1人の計3人からなる「芸術監督団」の設置を示した。検討委が選考した芸術監督団の候補者3人(非公表)が推薦され、市が5月中をめどに発表する。本年度は準備期間とし、来年度に正式に就任する見通し。

 検討委員会の青山織人委員長(市芸術文化振興財団理事長)が市役所を訪れ、臥雲市長に答申書を手渡した。市から諮問された▽市民芸術館の方向性▽あるべき姿を具現化する「芸術監督制」▽芸術監督候補者の選定―についての検討結果を示した。
 芸術監督は「次世代を担う人材」を選考基準とし、任期は1期3年・最長2期を上限とすることを提案した。就任までの準備期間を設け、来年3月までは「参与」として雇用契約を結ぶ。役割と責任を明確にする「職務記述書」を毎年公表することも加えた。
 青山委員長は芸術監督の分野を「演劇」「舞踏」とした理由について「演劇は(3月に総監督を退任した)串田さんの延長線にある。舞踏はブレイクダンスが五輪種目になるなどダンスの注目度が高く、松本市の個性として先取りしたい」と説明。検討にあった「音楽」は音楽文化ホールや世界的な音楽祭のセイジ・オザワ松本フェスティバルを抱える中で、まずは2部門を優先すべきとの結論に至ったという。
 芸術館の方向性については、質の高い水準の芸術文化を創造・観賞する場を目指すことや、館外に出向くアウトリーチに力を入れて次代を担う子どもに必要な力を養う場とする五つの柱が示された。臥雲市長は「答申内容を最大限に尊重したい」と述べた。

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