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木曽観測所サポーターズクラブが発足 天文ファンのすそ野拡大へ意欲

設立総会であいさつする渡辺会長(左から3人目)。初年度は県内外の15人でスタートした

 木曽町三岳の東京大学木曽観測所が力を注ぐ天文普及活動や地域貢献事業を応援しようと、県内外の天文愛好家たちがメンバーとなって「木曽観測所サポーターズクラブ」を発足させ、今月から活動を開始した。観測所が主催するイベントの運営に協力しながら、天文学者と社会をつなぐ役割を担う。全国の愛好家が集える恒常的な場をつくる目的も掲げる。

 同観測所が令和6年に開所50周年を迎えるのを前に「地域・社会との連携をさらに深めよう」と設立準備を進めた。観測所の特別公開時に来場者を案内したり、天体望遠鏡の使い方や観測方法を教えたりといったボランティアに取り組む。講演会や天体観望会などの企画・運営も計画する。
 今月上旬、木曽観測所で設立総会を開いた。会長に選ばれた上田創造館の元館長・渡辺文雄さん(78)=上田市=は「観測所を中心にアマチュアの天文ファンのすそ野を広げたい。将来、研究の手伝いもできればうれしい」と意欲を示した。
 同観測所によると、天文の研究機関と愛好家団体が密接につながる形は全国でも珍しいという。小林尚人所長は「社会とつながりを持つ点において研究者は奥手。研究と社会を結ぶ活動には意義がある。天文の面白さの発信に協力していただけてありがたい」と期待している。