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後輩警察官の結婚応援 県警OBの相談員コンビ奔走

二人三脚で警察官の結婚相談に奔走する林さん(左)と上條さん

 長野県警察のOB、林茂里さん(78)=安曇野市豊科=と上條芳勝さん(77)=同=が、後輩警察官たちの結婚を応援しようと一肌脱いでいる。県警OBでつくる「県警友会連合会」の結婚相談員としてコンビを組みながら独身男女を引き合わせ、これまでに20組を成婚に結びつけた。「誰かの幸せが自分たちの幸せでもある」。現役時代と変わらず損得勘定を抜きに、今日も明日も奔走する。

 捜査2課を長年歩み退職後の平成21(2009)年に同会結婚相談員になった林さんが、捜査1課OBの上條さんを翌年仲間に引っ張り込んだ。当初は個々に活動したが4、5年は成果を上げられなかったという。そこで互いに情報共有する協力体制を取ったところ徐々にカップルが誕生するようになった。
 2人が応じる結婚相談は少なくとも男女のどちらかが警察官だ。相談を受けると互いの人脈の中から相手を探し、両当事者に打診。意向を確認の上、お見合いをセッティングする。初対面には「場を和ませながらも邪魔にならない程度に」立ち会い、その後もつかず離れず経過を見守る。
 「最終的には本人同士の好みの問題」(上條さん)のため成婚に至らないケースも数知れないが、だからこそ「成立した時は本当にうれしい。初めて吉報を受けた日は興奮してスピード違反になるかと思った」と冗談交じりに林さん。昨年末には「警察職員のよき出会いや幸せな家庭づくりに多大な貢献をしている」として、県警本部長から2人に感謝状が贈られた。
 意外なことに2人は原則、仲介した男女の結婚式に出席しない。必要以上に気を使わせたくないとの配慮からで、上條さんは「銭金のためでも名声のためでもない。うまくいった時だけ心から喜び、あとは淡々と責務を果たすのみ」と話す。
 林さんは「喜びや悩みを分かち合う上さん(上條さん)がいるからこそ続けてこれた。これからも現役警察官の応援団として尽力したい」と話している。