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99畳の大広間「鳳凰の間」で喫茶 老舗の割烹松本館が始める

女将の接客を受けながら大広間で一服する来店客(7日)

 明治23(1890)年創業の割烹松本館(松本市丸の内)が今月、国登録有形文化財の大広間「鳳凰の間」で喫茶営業を始めた。名付けて「館カフェ」だ。99畳の広さを誇る絢爛豪華な大広間に気軽に親しんでもらおうと、団体予約のない平日を中心に営業する。

 これまでは披露宴や宴会などの団体客を中心に、1回1組に限っていた大広間。しかし近年の新型コロナウイルス禍で団体需要が減り、利用の少人数化が進んだ。そこで一人からでも立ち寄ってもらえる機会をと喫茶営業を取り入れた。
 メニューは地下水で入れるコーヒー(650円)や抹茶(600円)、季節のわらび餅(600円)、松本の地ビール(1100円)など。彫刻家の太田南海が設計監修し、装飾豊かな床柱や天井画に彩られた空間で味わう一服は格別だ。
 昨年と今年のマツモト建築芸術祭で大広間を公開したところ、多い日には500~700人が来場する盛況ぶりだった。女将の宮澤裕佳理さんは「建物の力を見せてもらった。より多くの人に喜んでもらえれば」と話している。11、12、14日にプレオープンし、月末から本格営業する。おおむね午後2時から。詳細は同館SNS(交流サイト)へ。