読み札を切り絵で表現 楢川かるた 八十二銀塩尻西支店で展示

塩尻市宗賀の八十二銀行塩尻西支店は4月末まで、ロビーで「木曽楢川かるた」を紹介している。切り絵に打ち込む広丘郷原の中倉治郎さん(68)が黒色の紙を切り抜き、読み札の文言を精巧に表現しており、絵札と併せて飾っている。かるたは楢川村(現楢川地区)時代に村教育委員会が製作したといい、地域の魅力を発信する手段としてもう一度光を当てようと企画した。
「今に残る中山道の杉並木」「沈金の技術を誇る木曽漆器」「屋根に石 贄川宿の関所跡」など44枚の札がある。中倉さんは、12年ほど前に独学で切り絵を始めた。カッターナイフを用い、趣のある文字に仕上げ「細かい漢字よりも平仮名の方が(字と字を)つなげるところなど意外に難しかった」と語る。
かるたは楢川地区の名所旧跡、自然、産業などが分かりやすくまとまっている。製作時、奈良井ダム(昭和57年に本体が完成)は建設中だったようで「新しい暮らしをひらく奈良井ダム」の札は工事中の絵が描かれている。
廣田貴史支店長は楢川地区の出身で、かるたについて「なじみがあり、とても懐かしい。楢川を対外的にPRするツールとして有効。魅力を知らせたかった」と話している。
かるたは、大門七番町の塩尻総合文化センターの窓口で購入できる。