政治・経済

公設民営バス4月始動 ルートや便数見直し

路線バスの車体に貼られた「ぐるっとまつもとバス」のステッカー

 松本市内を走る路線バス(市営バス、地域バス除く)が4月1日、市が事業主体となる「公設民営体制」に移行する。ルートや便数を見直し、交通空白地帯の減少や利用が多い時間帯の増便で利便性を高める。利用者を増やし、慢性的な赤字状況の改善につなげられるかが焦点だ。

 公設民営バスの名称は「ぐるっとまつもと」になる。アルピコ交通(井川城2)は28日、リンゴをモチーフにしたロゴマークのステッカーをバスの車体に貼る作業を始めた。タウンスニーカーや西部地域コミュニティバスを含め500カ所以上あるバス停も順次、統一した新デザインに切り替えている。
 ルートの変更・統合が12路線、新設が5路線、便数のみ変更が6路線、現状維持が19路線となる。複数の運行形態が混在する路線エリア全体を一つと捉え、市の主導で路線網やダイヤを見直した。車両の保有・運行を民間の交通事業者に委託する。10月からはエリア全体を特定の1社に委託し、キャッシュレス決済を順次拡大する。
 28日は、アルピコホールディングスの佐藤裕一社長と臥雲義尚市長が市役所で懇談した。臥雲市長は「路線バスの利用が促進し、将来に向かって上向きの動きになれば」と話し、佐藤社長は「われわれ事業者も甘えることなく、サービス内容の改善にしっかりと取り組みたい」と話した。