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奈良井宿舞台の時代小説冊子に 元中学校教諭の永井雅彦さん

時代小説『合鍵』の冊子を手にする永井さん

 塩尻市奈良井出身の元中学校教諭・永井雅彦さん(65)=安曇野市豊科=はこのほど、同市の奈良井宿や中山道の鳥居峠などを舞台にした時代小説『合鍵』を書き上げ、冊子にした。尾張藩の下級武士・彦志郎が世のため人のために活躍する。

 118枚分の手書き原稿を印刷し、10部の冊子にまとめ、楢川歴史民俗資料館や安曇野市の図書館に寄贈し、友人や知人にも配った。江戸時代に、文武に秀でた彦志郎が見聞を広めるために松代藩へ向かう。鳥居峠では親を殺された友のあだ討ちを手助けしたり、私腹を肥やす米問屋から金銭を盗み出したりして、弱い人のために働く。
 永井さんの実家は奈良井宿にあり、お六ぐしに関わる仕事をしていた時期もある。小説では彦志郎が難所の鳥居峠で滑落し、お六ぐしの職人に助けられる場面も。永井さんは大河ドラマが好きで小説を初めて執筆した。「人生も残り20年。何か形にして残そうと地域のことを題材にして表現した」と話す。小説は豊科図書館で借りられる。