松本市出身の小林勝太騎手がJRA初勝利 幼少期、高ボッチ草競馬に出場も

松本市出身で、幼少期から塩尻市の高ボッチ高原観光草競馬大会などに出場していた小林勝太さん(20)が、1日にプロの競馬騎手となり、12日には同期6人で一番乗りのJRA(日本中央競馬会)初勝利を飾った。子供の頃からの夢を実現させた小林騎手は「いずれは日本だけでなく世界で活躍できるようになりたい」と、より高い目標を胸に挑戦を続けている。
12日は中山競馬場(千葉県船橋市)での最終レース(ダート・1200メートル)で、9番人気のアメトリーチェ(4歳、牝馬)に騎乗。スタートとともに出走15頭の先頭に立ち、鮮やかに逃げ切った。4日のデビューから2週目、通算10戦目での初勝利だった。
騎乗馬は長期休養明けだったが、「想像以上に頑張ってくれた。シンプルにうれしかったし、一つ勝ててほっとした」と振り返る。
小林騎手は身長165.1センチ、体重47.3キロ。菅野中学校を卒業後、騎手を目指す人の教育施設を経て17歳から競馬学校で学び、今年2月に卒業。騎乗技術が特に優秀な生徒に贈られる「アイルランド大使特別賞」を受賞、3月1日付で騎手免許を取得した。JRA美浦トレーニング・センター(茨城県)の小野次郎厩舎に所属する。
松本市笹賀で畜産業を営む実家で、3歳から馬に乗って親しみ、小学4年生で日本一の子供騎手を決める全国大会「ジョッキーベイビーズ決勝大会」に初出場し、初優勝を果たした。6年生でも同大会に出場。会場の東京競馬場(府中市)での騎乗経験が、職業として騎手を志す原点になった。
初勝利について、父親の和義さん(53)は「夢がかなった。けがもあったが努力した。厳しい世界なので今後は本人次第」と見守る。高ボッチ草競馬担当で、これまで小林騎手を見てきた塩尻市観光協会第2事業委員長・髙木一男さん(62)は「明るく人懐こく性格の良い子で、最高にうれしい。一勝でも多く重ねて、GIレースに出る騎手になってほしい」と願う。
小林騎手は「今年は30勝して新人賞を取りたい」と目標を掲げる。「競馬は馬と騎手が一体となり勝ちを目指す楽しい競技。自分を通して地元の人にも興味を持ってもらえたら」と話している。