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望月美術館復活の調べ 開設者の孫・鷲澤さん再生

復活した望月美術館で開かれたコンサート

 長野銀行の前身・長野県商工信用組合の創業に携わった望月俊之輔さん(故人)が安曇野市穂高の自宅に造り、約20年間閉じていた「望月美術館」が21日、孫の鷲澤幸毅さん(38)=安曇野市穂高有明=の手によって復活した。同日は館内でこけら落としのコンサートが開かれ、収蔵品の関係者や近隣住民ら約30人が、芸術にあふれた空間を堪能した。

 絵や彫刻が展示された会場で、ピアニストの木内貴大さん(45)=上田市=やマリンバ奏者の西澤昂佑さん(38)=東京都=が演奏した。鷲澤さんの中学教諭時代の教え子・片岡若葉さん(22)はホルンを演奏。テノール歌手でもある鷲澤さんも歩き回って朗々と歌い、元は蚕室だった高い天井の会場に音楽が響き渡った。
 演奏後、来場者は展示作品を鑑賞した。穂高有明の女性(79)は「自由な空間の演奏会でとてもよかった。パワーをもらった」と笑顔を見せていた。
 望月美術館は、地元の芸術家と親交が深かった望月さんが開設し、収蔵品は300点以上に上る。4月中旬までは収蔵品を中心に展示し、以降は地元作家の作品展や演奏会の会場としても活用していく。鷲澤さんは「芸術にあふれる世界を願った祖父の思いを次代につないでいきたい」と力を込めている。
 入館の申し込み・問い合わせは鷲澤さん(電話090・3525・3345)へ。