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生坂村出身・法学者の加藤正治 伝記漫画をネットで公開

村ホームページで公開を始めた加藤正治の漫画。スマートフォンからも閲覧できる

 生坂村教育委員会が、村出身の法学者で中央大学の初代総長を務めた加藤正治(1871~1952)の功績をまとめた漫画『加藤正治物語』のインターネット配信を始めた。すでに昨春に書籍版を完成させて村内全戸に配布したが、村民にとどまらず大勢の人に地元ゆかりの偉人に親しむ機会になればと公開した。

 村ホームページのおしらせから公開した。書籍版と同様、主人公の少年が妖精の導きで加藤の偉業や一生を追うストーリーの本編(89ページ)のほか写真、年表などを紹介。パソコンやスマートフォンから気軽に閲覧できる。
 村教委は平成9(1997)年に刊行された『生坂村誌』を今年4月上旬に電子図書館「デジ図書信州」で閲覧可能とする予定だ。上生坂に残る加藤の生家で国登録有形文化財の旧平林家住宅(一星亭)の保存・活用も進行中で村の歴史に触れるきっかけになればと漫画の先行公開を決めた。
 加藤は法学者だけでなく俳人「加藤犀水」としての顔や、大町市の木崎湖畔で行われる「夏期大学」の運営に携わるなど文化振興の担い手としても知られ、村外から問い合わせも多いという。村教委の社会教育主事・幅国洋さんは「漫画が、加藤正治を知るきっかけとなれば」と願う。