教育・子育て

ドミニカ共和国からの留学生 ロサフレテさんが松本大大学院での勉強修了

松本大大学院での学びを終え帰国するロサフレテさん(中央、左隣が佐藤会長、右隣が住吉元学長)

 ドミニカ共和国からの留学生として令和2年度から松本大学大学院(松本市新村)で学んだロサフレテ・エミルセカリナさん(29)が本年度で修了し、帰国する。中南米からの学生の受け入れは松本大では初めてで、全国でも珍しい。ロサフレテさんは日本での学びを母国で役立てることを誓い「両国の友好親善の懸け橋にもなりたい」と話している。

 母国の大学を卒業後、理学療法士として現地の病院などで働いた。テコンドーの選手でもあり、同国内で優勝経験もある。当初は令和2年4月の入学予定だったが、新型コロナの影響で入国が8カ月ほど遅れた。在学中は座学や病院で実習を重ねて専門性を高めた。
 来日のきっかけは2020年の東京五輪開催に向け、ドミニカ共和国の空手代表選手団の事前キャンプの誘致に尽力したテレビ松本ケーブルビジョン(松本市里山辺)の佐藤浩市会長に、懇意にしていた同国の駐日大使から留学生派遣の要請があったことだった。佐藤会長を通じ松本大学の元学長・住吉廣行さんが理解を示した。
 ロサフレテさんの身元引受人だった佐藤会長が9日に松本大学を訪れ大学側の支援に感謝を伝え、「帰国しても日本通として両国の友好親善に活躍してくれると思う」と期待した。松本大国際交流センターの関澤一洋課長は「学業はもちろん松本大の学生と交流を深めるなど素晴らしい交歓ができた」と話す。
 ロサフレテさんは17日、松本大学の卒業式で院生代表として登壇する。帰国後は大学教員となり、けがや障害で歩行困難な人の機能回復や医療装具などの開発に取り組む。「冬の寒さと雪、文化の違いにびっくりしたけれど学びを深めることができた。両国の懸け橋となれるよう日本語をもっと覚えたい」と笑顔を見せた。