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松本駅前の人気洋食店・盛よし閉店 惜しむ声が続々

松本の洋食店として40年以上親しまれた「民芸レストラン盛よし」

 松本の洋食店として40年以上、市民や観光客に親しまれてきた飲食店「民芸レストラン盛よし」(松本市深志2)が近く、営業を終える。昼食時には行列ができる人気の店だっただけに、閉店を知った市民からは惜しむ声が相次いでいる。店舗での営業は既に終えており、15日から店頭で感謝弁当を販売する。

 創業した須沢盛義さん(72)は半年前から、健康面に不安があり、店舗に立つことができなくなっていた。さらに、後を継いでいた長女の忍さん(46)も体調を崩してしまい、営業を続けられなくなった。
 同市中央3出身の盛義さんが子供の頃からの夢をかなえて、昭和54(1979)年4月、現在の店舗の2階で妻の薫さん(71)と開業した。民芸調の店内が特徴で、3年後には現在の1階に店を移した。ハンバーグやとんかつ、カニコロッケを、みそ汁やポタージュ、ご飯とセットにし、若者でもおなかいっぱいになるメニューが好評だった。盛義さんは「うち独自の味、個性を大事にしながら、万人向け、誰にでも合うような味にと考えた」と振り返る。
 忍さんが20歳で調理師の専門学校を卒業してからは、盛義さんと一緒に調理場に立ち、薫さん、従業員と共に店を切り盛りしてきた。3世代にわたり、訪れる常連客もいたという。
 閉店の知らせを同僚から聞いて訪れた同市清水2の60代の女性会社員は「40年前から通っている。おいしくて変わらない味で、県外から来た方にも紹介していた。残念」と話した。塩尻市大門六番町の60代の男性会社員は「職場の仲間と飲み会もやった思い出の店。寂しくなる」と閉店を惜しんだ。
 盛義さんは「今まで来ていただいたお客さん、皆さんに感謝です」と話している。店舗営業は10日で終了した。感謝弁当の販売は15日午前11時半からで、500円と1000円の2種類。3日間の営業を予定しているが、食材が終わり次第、終了する。