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雪投げ付け豊作願う 筑北村坂北で「お田植え祭り」

雪が飛び交う中、張り子の牛を抱えて境内を練る氏子たち

 筑北村坂北の刈谷沢神明宮で5日、県無形民俗文化財に指定されている伝統行事「お田植え祭り」が行われた。氏子が抱える黒い張り子の牛に参拝者たちが農業用水に困らぬよう雪を投げ付け、五穀豊穣や子孫繁栄を願った。

 拝殿前で口上が述べられ、集まった白装束姿の氏子たちが「アラ目出度いなー」と合いの手を入れた。「毎年、毎年、嫌でござる」とぼやきつつ牛を抱えた太郎役・宮入義次さん(69)や、万鍬を手にした次郎役・宮入清文さん(54)ら氏子8人が「ボーボー」と牛の鳴き声をまねつつ境内を反時計回りに3回練り、見物客から盛んに雪が投げ付けられた。
 家族5人で訪れた地元の宮入仁さん(42)は「子供の頃から変わらず続く祭りでうれしい。今年もおいしいお米が食べられれば」と話していた。氏子総代会長の堀田勇さん(82)は「今年も大勢から盛大に雪を投げてもらった。地域の豊かな実りと発展を確信している」と笑顔を見せた。