地域DXの中核「コア塩尻」工事着々 WRビル2階に6月開所

塩尻市大門一番町のウイングロード(WR)ビル2階で、デジタル技術を活用して市民サービスを創出する研究開発の拠点・地域DXセンターの工事が行われている。施設の名称が「Core(コア)塩尻」に決まり、6月上旬の開所を目指して整備が進む。
市が所有する約2100平方メートルの空間で、市振興公社が事業主体となり昨年11月に着工した。天井の解体・除去や空調機器の移設を済ませ、現在は壁や床、天井など内装の仕上げが進む。県産カラマツ材を使った階段状の座席を製作して設置する。必要な器具を取り付け、3月下旬には完成する見通しだ。
自動運転などのDXで協業する企業や法人が入居する「サテライトオフィス」、約680平方メートルの「コワーキングスペース」、地域住民が最先端技術に触れられる「交流スペース」の機能を持つ。個室オフィスは24平方メートルが8室、12平方メートルが6室ある。
整備事業費は6億8000万円で、地方創生拠点整備交付金などを充てた。新年度の市一般会計当初予算案に、運営費負担金6920万円を計上している。本年度に基本設計、実施設計を行った。落成後は4~5月に地元関係者への説明会や見学会を開く計画だ。
名称は「塩尻の中核」「(サービス波及の)震源地」の意味で、民間企業の提案により1月末に振興公社が決めた。かつて塩尻駅前に同名の商業施設「こあ・しおじり」(再開発のため平成22年11月解体完了)があり、市先端産業振興室は「年配者は懐かしさを、若い人は新しさを感じる親しみやすさがある」と説明している。