2023.2.25 みすず野
朝から晴れて気温が上がった休日、フキノトウが顔を出しているのではと期待して、里山の〝守備範囲〟を見て回った。道路や日が当たる土手の雪は解けていたが、さすがにまだ土の中で眠っているようだった。暖かい日が続いても、冷え込みが緩まなくても、大地の恵みを手にできるのはほぼ毎年同じころだ◆朝の冷え込みは続いているが日差しは濃く、明るさが増している。春の訪れが遅いこの地だが必ずやってくる。春に忘れられたという年はない。緑色の芽が里山を覆う日が待ち遠しい◆ウクライナの人々も同じように春の訪れを待っていたことだろう。それが突然の戦火に襲われ1年が過ぎた。兵士だけでなく民間人も大勢が犠牲になっている。ひとくくりに犠牲者というが、一人一人に名前があるのだ。かけがえのない人を失った家族や友人は、その何倍にもなる。それだけの悲しみがある。それはロシアの兵士も同様だ◆ロシアの侵攻が報じられたとき「21世紀なのに」という思いを抱いた。理不尽な戦争が終わるのはいつになるのか。ウクライナの人々が戦火の心配がなく、春の訪れを喜べる日が一日も早く訪れるよう願う。