政治・経済

アートヒルズ 年末に閉館 安曇野の観光施設 コロナ禍で来館者減少

 安曇野市穂高有明にあるガラス工芸のテーマ施設「安曇野アートヒルズミュージアム」が12月31日で閉館することが5日、分かった。山麓線沿いの観光主要施設の一つが、新型コロナウイルスの影響で約30年間の歴史に幕を下ろすことになった。

 施設を運営する東京アート(本社・東京都)などによると、安曇野アートヒルズミュージアムは事業部の一つという位置付けで、これまでは主力であるショッピングバッグの製造販売などのパッケージ事業の堅調な売り上げに支えられてきた。しかし、新型コロナウイルスによりパッケージ事業が打撃を受け「苦渋の選択ではあるが、営業に区切りをつける必要が出た」と判断した。
 安曇野アートヒルズミュージアムは平成3(1991)年に国内最大級のガラス工芸館「ガラスの丘・アートヒルズ」としてオープンし、一時は年間の来館者が120万人を超えたが、その後は減少した。18(2006)年に現在の名称に変更してリニューアルし、アールヌーボーを代表するフランスのガラス工芸作家のエミール・ガレの作品を常設展示する美術館などを備えた。北アルプス山麓の美術館や博物館でつくる安曇野アートライン推進協議会の構成団体にもなっている。
 敷地面積は9327平方メートルで、本館に美術館やショップなど、別棟に食事どころなどを備えている。施設は東京アートが所有しており、閉館後の活用方法は決まっていないものの管理は続けるという。