松本の公設民営バス「ぐるっとまつもと」 運賃体系改定へ

松本市は22日の市議会建設環境委員協議会に、公設民営バス「ぐるっとまつもと」の基本運賃一律20円値上げなどを盛り込んだ、来年3月からの新たな運賃政策を説明した。値上げと同時に子育て世代への支援策やキャッシュレス化の推進に取り組み、持続可能な公共交通サービスを提供する仕組みを整える。
基本運賃の値上げは、人件費や燃料費の高騰、働き方改革に伴う見直しを受けた取り組み。回数券の割引率を引き下げ、現在の13枚つづりから2枚減らして11枚つづりにする。紙は廃止し、スマートフォンアプリのチケットQR形式のみとする。
子育て世代への支援では、普段使う定期券に、一般路線(アルピコ交通の路線)のどの路線、停留所でも乗り降り自由の「金額式フリー定期券」を導入する。チケットQRで購入可能で、乗り越し分は自動的に差額精算できるようにする。通学定期券の割引率を40%から50%に拡大するほか、小児運賃(普通運賃の半額)の適用範囲を中学生まで拡大する。
キャッシュレス決済の利用者の運賃を一律20円割り引く時限措置に取り組む。福祉100円バス助成事業のキャッシュレス化も進め、乗降データを収集して効率的な運行につなげる。
利用増に向けては、交通系ICカード「Suica(スイカ)」の機能を持つ地域連携ICカードを導入。多言語対応の全路線フリー1日乗車券も導入し、インバウンド(訪日旅行)客も取り込む。
今後、パブリックコメント(意見公募)を実施し、松本地域公共交通会議運賃協議部会で協議する。来年3月の実施に向け利用者への説明を進める。