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木祖小児童 キハダを植樹 百草丸の原料 日野製薬

社員や林業関係者らに教わりキハダを植樹する5年生

 木祖村の木祖小学校5年生13人は13日、木曽地域に古くから伝わる胃腸薬・百草丸の主原料となるキハダを学校近くの山林に植樹した。原料になるまで約25年かかるといい、将来に思いをはせながら作業し、環境保全の大切さや昔からの知恵にも理解を深めた。

 地元の日野製薬(石黒和佳子社長)による4年目の企画。入手できる国内産のキハダの量が激減していることを背景に、住民らと植樹を進めている。
 児童たちはつるはしで穴を掘り、同社のキハダの種から育った苗木を一人一人植えた。強い日差しの下で一生懸命作業し、山路望菜美さんは「大変だったけど楽しくできた。自分の成長よりさらに100倍大きく育ってほしい」と話していた。
 植樹の前に同社で百草丸やキハダについて学び、石黒社長は「先人の知恵を未来につなぎたい。植樹したキハダを百草丸に使う生薬にし、皆さんに贈るのが夢」と語った。
 かんなくずから造花をつくるキノハナkinano(南佐久郡北相木村)のメンバーに教わって造花を作り、キハダで着色する体験学習も開かれた。