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米の売り手が田植え体験 関東のスーパーの社員、松本で

田植えを体験する参加者たち

 関東でスーパーマーケット約200店舗を展開し、JA松本ハイランド産の米を扱うヤオコー(本社・埼玉県川越市)の社員らが7日、松本市島内の水田で田植え体験をした。供給不足や価格高騰で米への注目が増す中、精米を担う企業の社員を含む若手ら25人が参加し、農作業や産地への理解を深めた。

 稲刈りと合わせて恒例となっている体験会で、同JAが主催した。参加者は長靴で水田に入ると、10アール分にコシヒカリの苗を手植えした。不慣れな作業でも、和気あいあいと楽しみながら進めていった。
 ヤオコーは、安定して高品質だという島内・島立産の米を指定し年500トンほど購入している。米作りの苦労や作り手の思いを知り販売に生かすため、体験に取り組んでいる。
 同社のバイヤー・田口健太さん(36)は米不足で販売分の確保に苦労しているとし「産地との関係づくりは一層大事。社員が米を大切に扱うきっかけにもなれば」と話していた。水田を提供した地元の丸山敏光さん(37)は「生産者と消費者の架け橋となる皆さんを通して、高いと言われる米の価格にも理解が広がれば」と期待していた。