松本城で桜の開花宣言 昨年より6日早く

国宝松本城(松本市)のソメイヨシノが咲き始めたとして、松本市は1日、桜の開花を宣言した。開花時期は平年並みで、昨年より6日早い。この日の同市沢村の最高気温は2月上旬並みの5.8度と冬の寒さとなったが、春は一歩ずつ、着実に近づいていることをうかがわせた。
松本城管理課の松岡由香課長が午前中、外堀沿いの標本木に5輪ほど咲いているのを確認した。午前が雪だったため、開花宣言は日没後の午後6時20分から行った。松岡課長と松本城ゆかりの武将・小笠原忠脩を演じる国宝松本城おもてなし隊の役者が標本木の前で寸劇を披露し、「これにて桜の開花を宣言いたしまする」と声高に宣言した。
松岡課長は「多くの人から『松本城の桜はまだか』と問い合わせをいただいた。皆さんが心待ちにしていた桜がやっと咲いたな、という思い。松本城を背景に桜を楽しんでほしい」と話した。観光客の一人は「桜と雪が同時に見られるとは思わなかったが、4月なのに寒い」と驚いた様子だった。
お城の桜は、しだれ桜やコヒガンザクラなどを含め約300本ある。同課によると、満開の予想は例年宣言から5日後。ただ、ここ数日は気温が低い日が多く、満開の時期は遅れそうだ。松本城と周辺の夜桜をライトアップする「光の回廊」は、4~11日に開く。午後5時半から午後9時までは本丸庭園を無料開放する。