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松響75周年・音文ホール40周年 記念の年、華やかに幕開け

独唱者にソプラノ歌手の三井さんを迎え、ワルツ「春の声」を演奏する楽団

 松本市を拠点に活動するアマチュアオーケストラ・松本交響楽団の新春恒例のニューイヤーコンサートが13日、同市島内の市音楽文化ホールで開かれた。生誕200年を迎えたヨハン・シュトラウス2世のワルツやポルカを丸山嘉夫さんの指揮で演奏し、満席となった680人の聴衆を魅了した。音文ホール開館40周年のオープニング・コンサートと位置づけ、メモリアルイヤーの幕開けを華やかな音色で飾った。

 東京二期会に所属するソプラノ歌手・三井清夏さんを迎え、ワルツ「春の声」をめったに演奏される機会のない原曲の形で演奏した。アンコールは恒例の「美しき青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」で、行進曲の軽妙な旋律に合わせて聴衆が手拍子し、ホールは一体感に包まれた。
 初めて訪れたという書道講師・宮下定固さん(51)=松本市南原=は「迫力のある演奏で感動した」と満足していた。
 音楽の都・ウィーンで毎年元日に開かれるニューイヤーコンサートを倣った演奏会で44回を数える。当初は同市のあがたの森文化会館講堂で演奏していたが、昭和61(1986)年の第5回以降は音文で演奏会を継続している。
 今年は松響の創立75周年に当たり、団長でオーボエ奏者の小平潔さん(91)は「長年の積み重ねで市民から支持される演奏会に成長した」と感謝していた。
 音文の40周年記念事業は、地元のアマチュアオーケストラや金管バンドなどが出演する公演を企画する。7月にはプロの弦楽アンサンブル「石田組」の公演などを予定している。