2025.1.6 みすず野
「いい年をして」に続く言葉は「そんなことも知らないの」とおおむね決まっている。「そんなこと」を年明け後、早々に一つ知った。宝船に乗った七福神それぞれの出身地だ◆七福神は全員、日本の神様だと思っていた。人に幸福をもたらす神様たちだと。それが日本の神様は恵比寿神だけだった。大黒天とセットで置物などになっている。でも大黒天のルーツはインドだった◆『開運!神秘のちから 縁起物』(NHK出版)で知った。放送中の番組テキストだ。正月休みに寝転がって読んでいたら、この記述があってとび起きた。さらに弁才天(弁財天)はインドの神様、毘沙門天もインドの財宝の神。福禄寿と寿老人、布袋尊はいずれも中国の神様だとあった◆このメンバーに定まったのは江戸時代で、宝船に乗った姿が描かれるようになったのも江戸時代。「日本の民間信仰には、海の向こうに『常世の国』などと呼ばれる理想郷があり、そこから神様や福がやって来る」という考え方がありそれが反映されたのが宝船の絵だと、関西学院大教授・島村恭則さんはいう。七福神のあれこれを知ったからには今年こそ、ご利益にあずかりたい。