連載・特集

2025.1.12 みすず野

 日本人が初めてスキーを体験した日に由来する。豪雪地域の新潟県高田(現上越市南部)の陸軍歩兵連隊が指導を受けた。講師は、オーストリアの軍人テオドール・エードラー・フォン・レルヒ少佐が務めた。1月12日はスキー記念日◆初体験は1世紀以上さかのぼる明治44(1911)年のことだ。技術を習得した陸軍将校らが一般への普及に努めた。が、当初は皇族や財界人といった一部の人たちの楽しみにとどまっていたという。百科事典をひもとくと、第1回日本スキー選手権大会が開かれたのは大正12(1923)年で、全日本スキー連盟の結成はその2年後となる。広く愛好されるまでにだいぶ時間がかかったようだ◆昭和の終わりから平成の初めにかけて爆発的なブームが起こった。大ヒットを記録した映画の効果だった。ゲレンデに人がどっと押し寄せた◆ブームが去ると極端な客の減少にスキー場の存続危機が各地で起こった。それは今も尾を引く。先月下旬の弊紙記事に、松本市内のスキー場存続に住民有志が運営会社と協力し、知恵を絞っている、とあった。地域の基幹産業の一助へ、市民もゲレンデに足を運びたい。