十二支の墨絵一巡り 松本市島立の勝野壽雄さんが島立公民館に寄贈
松本市島立の勝野壽雄さん(91)が10日、島立公民館に自作の干支の墨絵を寄贈した。平成26(2014)年の午年から始めて一巡、一区切りとなり「役割をいただいて生かされた」と感謝した。
絵は高さ約2メートル、幅約1メートルで、北アルプス常念岳と松本城、松と竹を背景に、体を「み」の字にくねらせた白蛇が描かれ、「再生開運繁栄」の文字が添えられている。常念岳を背景にしているのは、願いの言葉を「常に念じる意味を込めている」。
高校で英語を教えていた勝野さんは、在職中に通信教育で書道を10年間学んで師範となり、定年退職後に自己流で墨絵を始めた。地区福祉ひろばの教室で書や水墨画を教えるようになり、平成26年に島立地区町会連合会から依頼を受けて、新年祝賀会に干支の絵を贈った。
以来、毎年寄贈を続け、作品は島立公民館内の廊下の壁に並んで飾られている。高校の教え子が訪れ、観賞していくこともある。
「構図を考えるのに2日くらいかかるが、描き始めれば1日で終わる」と話す。「今年は描いていて初めて体がきついと思った」といい、「楽しみながら続けることができた」と笑みを浮かべた。
町会連合会長や地元の沙田神社の御柱祭でまとめ役の「議長」を務めたこともあり、伊藤悦夫館長は「墨絵の寄贈だけでなく、地域にこういう人がいて本当にありがたい」と感謝していた。