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塩尻市が高齢者見守り体制充実へ 協定締結事業所と研修、意見交換

事例をもとに緊急時の対応を考えた研修

 塩尻市は、高齢者らを、事業者や市民など地域全体で見守る仕組みを充実させている。市内に拠点を置き、見守りについて市と協定を結んでいる事業所に参加を求め、公的機関とともに緊急時の対応を考える研修を11日に初めて行った。事業所に配るロゴマークを制定するなど、周知や情報発信の形を再構築する。

 研修は市保健福祉センターで行われた。市と協定を結ぶ7事業所のうち4事業所の従業員らと、高齢者の総合相談窓口である市包括支援センターや市、市社会福祉協議会の職員らが参加した。
 食品の移動販売業者やJA、保険会社などが協定を結んでいる。研修では、市内で高齢者が見舞われた事例をいくつか挙げ、トラブルに直面した場合の対応を考えた。
 新聞がたまっているなどの小さな異変に気付いた際に、行動を起こすかどうかについて事業者側から「勘違いだったらという不安がある」という声が出た。一方、公的機関側は「ちょっとでも違和感があったら連絡が欲しい」と訴えた。
 食事関連で対策が必要だったケースについて、公的機関の対応が遅かったことがあると指摘し、迅速に動くよう求める事業者の声もあった。
 ロゴマークは車に張れる10センチ大、店舗掲示用の15センチ大、名札向けの5センチ大の3サイズを用意した。協定締結事業者などに配る。1月に公開予定の特設サイトでは、協定締結事業所の見守りの活動や高齢者の相談窓口などをまとめる。チラシは地域の高齢者見守りチェックリストを載せ、見守りの意識が広まるようにする。
 市地域共生推進課は研修会について「事業者側からも実施を求める声があった。定例化や出席者の拡大を図り、見守り体制を強化させていく」としている。