2024.12.16 みすず野
毎週土曜日付に連載が続く小林貴子さんの「季語って楽しいⅡ」を楽しみに読んでいる。先週の季語は「ストーブ」で「ストーブに石炭をくべ夢多し」(細見綾子)の句が紹介されていた。小林さんは小学生の頃、教室のストーブが石炭で、当番が運び、児童が火をつけたと振り返っている◆そのままの体験をしている。低学年の頃は、たき付け用に柴を集めて持って行った。やがて新聞紙をトランプくらいの大きさに折り畳んでしばり、灯油をしみこませたものに変わった。灯油ストーブになったのは中学2年の時からだ◆「夢多し」を引き取り「小学生も中学生も高校生も、夢いっぱいでした」と続く文章にはっとした。そうだったなと、忘れていたことを思い出す。小学生のときは小学生なりに、中学生のときは中学生なりに、いろいろな夢を抱いていた。もう、めったに思い出さないが◆小林さんは「それは現在の子どももそのまま、夢いっぱいのことと思います」と結ぶ。大人の都合や思惑、方針などに関係なく、自由に、勝手に、好き放題に子どもたちは夢を描く。頬を赤くして登校する元気な子もそうでない子も夢の塊なんだ。