政治・経済

現行保険証 12月2日に発行終了後も使えます 松本市に問い合わせ相次ぐ

市民課ロビーの電光掲示板。「国民健康保険と後期高齢者医療の保険証の発行が終了します」とのアナウンスが掲示されている

 12月2日に紙の健康保険証の新たな発行が終了し、マイナンバーカードに保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」に全面移行することを受け、松本市に「保険証が使えなくなるのか」といった内容の問い合わせが相次いでいる。11月半ば以降、問い合わせが1日当たり20件ほどあり、多い日は50件に上る。12月1日時点で有効な健康保険証は2日以降も有効期限まで利用できるため、市は「急に受診できなくなることはない。安心してほしい」と呼び掛けている。

 自営業者や退職者らが加入する松本市の国民健康保険で、マイナ保険証として登録した人の利用率は9月時点で19・2%。75歳以上が入る後期高齢者医療制度のマイナ保険証利用率は12・7%にとどまる。利用率の低さは全国的に同じ傾向で、普及しない背景には利点が知られていないことや、個人情報保護への不信感があるとみられる。
 マイナ保険証の利点は、本人の過去の診療や薬のデータに基づいて適切な医療を受けられ、福祉施設では健康保険証の更新にかかる管理の負担が軽減される。12月2日以降、マイナ保険証を持っていない人には「資格確認書」が交付され、紙の保険証の代わりに使用できる。
 ただ、国はマイナ保険証への移行を促しており、市はホームページや広報紙、市役所市民課ロビーの電光掲示板などで周知を図る。マイナ保険証は、マイナンバーカードを作成し、スマホアプリ「マイナポータル」や医療機関の窓口にある端末で登録する必要がある。市保険課の秋山俊彦課長は「今後はマイナ保険証が基本となるので、手続きを進めてほしい」と話している。