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上質な裂き織りコースター完成 「あすなろ」と新垣さん夫妻がコラボ

合作のコースターをPRする細川さん(左)、沙代さん

 安曇野市三郷温の障害者支援施設・あすなろと、穂高の新垣正生さん(39)、沙代さん(40)夫妻が立ち上げた洋服ブランド「tumugi」(つむぎ)がコラボレーションし、裂き織りのコースターを商品化した。施設利用者が手間暇かけて機織りをした布小物が洗練されたデザインをまとい、シンプルながらも上質感が漂う合作となっている。

 コースターは○、△、□の形をした綿100%の3点セット。表面は古布や着物を再利用した裂き織り、裏面は洋服作りで余った風合い柔らかな布の端切れを用いている。
 パッケージには独自のロゴマークと、製作した施設利用者の名前のローマ字表記が入る。あすなろの機織り班は9人おり、それぞれとの合作を順次商品化する計画だ。第1弾は細川秋代さん(40)で「一生懸命機織りを頑張っています。買ってくれればうれしい」と笑顔で話した。
 新垣さん夫妻は3月に東京から移住。古民家を再生し店舗を7月末に開業して間もない頃、市内の美術館で販売されていたあすなろの裂き織りを見て質感に魅了され、コラボを打診。あすなろは利用者の作業ペースを尊重する条件で応じた。
 服飾デザイナーの沙代さんは「利用者の皆さんは時間を大事にして丁寧にものづくりをしている。その作品の価値を多くの人に伝えたい」、あすなろの百瀬勇人所長は「若い人たちがコースターに興味を持ち、障害者支援に携わりたいと思ってくれればうれしい」と話していた。
 1セット税込み2500円。23日に無印良品ツルヤ安曇野穂高(安曇野市穂高)で開かれるイベント「つながる市」で、10セット限定で発売する。売り上げの一部は施設利用者の工賃となる。