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命救ったヘルメット展示 木曽・小松署長 着用訴え 自転車事故の衝撃示す傷

木曽署内に展示中の、事故で傷ついたヘルメットを手に着用の大切さを伝える小松署長

 木曽町新開の木曽警察署に、交通事故で傷ついた自転車用のヘルメットが安全啓発のため展示されている。小松靖署長が、かつて事故に遭った際に着用していたものだ。ヘルメットに「命を救われた」と実感を込め、展示を通して着用の大切さが広まることを願う。

 事故があったのは11年前の7月午後8時前ころで、長野市の県道交差点を自転車で直進していた小松署長は、対向車線から右折してきた乗用車にはねられた。衝突地点から約3㍍向こうの路面に「ほぼ真っ逆さまに後頭部から落下」し、背骨を折るなどの大けがをしたが、頭のけがはなかった。
 ヘルメットはこのとき着用していたもので、全体がゆがみ、後部にいくつもひびが入るなど衝撃の強さを物語る。自宅に保管してあり、9月の木曽地区高齢者交通安全大会で参加者に注意喚起をするため持参。その後啓発のため、同署の1階窓口そばに置いた。
 小松署長は、ヘルメットを着けていなければ「この場にいないかも」と語る。昨年4月から、改正道交法で自転車利用時のヘルメット着用が努力義務化された。木曽郡内で自転車利用者は少ないものの「ヘルメット着用の普及は進んでいない印象」と話し「自分の命を守ることにつながる。自転車に乗る際は必ず着用を」と呼び掛ける。
 署内にしばらく展示する予定。