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筑北・坂北荘でハギ刈り取り 岩殿寺の火渡り護摩で活用

坂北荘の県道沿いに生えたハギをきれいに刈り取って束ねる岩殿寺の総代たち

 筑北村坂北の温泉入浴施設・坂北荘で18日、県道大町麻績インター千曲線沿いの敷地に生えるハギの刈り取り作業が行われた。成長したハギは例年3月末に地元の岩殿寺で行われる恒例行事「火渡り護摩」で燃やす護摩壇に欠かせない素材といい、今年初めて総代5人が作業に参加。総代たちは初秋に赤紫色の花々を咲かせて利用者を楽しませた秋の七草を丁寧に刈り取った。

 来年3月で30回目を迎える岩殿寺の火渡り護摩では例年、参拝客が足裏をやけどしないよう、完全燃焼し灰になりやすいハギを芯材に護摩壇を組んで燃やしている。ハギは主に村内から調達しており、近年は坂北荘のハギを使う縁から刈り取り作業の協力を申し出た。坂北荘では例年この時期、翌年の秋にハギの花が美しく咲きそろうよう開花後のハギをきれいに刈り取っている。
 坂北荘スタッフと総代が協力し作業を行い、草刈り機で根元から刈り取ったハギを縄で束ねていた。ハギは岩殿寺の境内へ運んで十分に乾燥させて使う。総代長の市川正一さんは(75)「参拝者が安心して参加するために坂北荘のハギは欠かせない。節目となる今回の火渡り護摩も無事に成功させたい」と願った。坂北荘の大塚文登所長も「ありがたい。今後も秋ならではのハギの花を楽しんでもらえるよう今後も協力し合えれば」と話していた。