塩尻市の国保特定健診伸び悩み コロナ禍前より低く昨年度の受診率40%

自営業者や退職者ら国民健康保険加入者を対象にした特定健康診査(国保特定健診)の受診率が伸び悩んでいる。昨年度の受診率は40・0%(速報値)で、新型コロナウイルス禍前の令和元年度に比べて5ポイント以上低く、なかなか回復していない。今月から集団検診が始まっており、市健康づくり課は「健康維持のためにぜひ受診してほしい」と呼び掛ける。
市の特定健診の受診率は、市民の自己負担を一律500円にした平成28(2016)年度を契機に徐々に上昇し、令和元年度が45・4%(法定報告値)と最も高かった。コロナ禍で、市が集団検診を中止した2年度は、各医療機関での個別健診でも受診控えがあり32・5%と大幅に減った。コロナはいったん収束したが、なかなか数字が戻らない状況にある。
受診率について、国の計画に基づき市データヘルス計画では6年度目標を47・5%と高く掲げる。達成は困難な状況だが、通知の送付や電話作戦など地道な受診勧奨を保健師が積極的に進めている。
市の調査だと、特定健診の対象者のうち、生活習慣病由来の受診歴がある未受診者が3割に上る。市の特徴として慢性腎不全や脳血管疾患の医療費に占める割合が高く、高血圧対策が課題だという。
市では、国が特定健診の基準に示す「40歳」以下にも枠を広げ、国保加入者の25歳~74歳を対象に平成28年度から継続実施し、若年層の健康維持・増進にも力を注ぐ。9月~来年1月の間に集団検診を27日間設定している。
市健康づくり課の尾崎祥代課長は「全身の状態を年1回は見て把握してほしい。専門家もいるのでアドバイスを受けながら少しでも健康に近づければ」と話している。