自民党総裁選が告示、9人立候補 松本地域の党員、党の再生に期待
岸田首相の後継を選ぶ自民党総裁選は12日に告示され、9人が立候補を届け出た。松本地域の党員からは、派閥の裏金事件で失墜した党への信頼を回復し、生まれ変わった自民党像を示せる新総裁の誕生に期待する声が相次いだ。外交安全保障や憲法改正が争点に浮上する中、地方向けの政策をもっと議論してほしいという意見もあった。
「ルールをつくる人たちがルールを守らないのはおかしい。活発に議論して公正なルールづくりを」。鍼灸師・上條弘明さん(48)=松本市中央1=は、裏金問題の決着に向け分かりやすい議論を求めた。飲食店経営の百瀬富貴子さん(73)=同市島立=も「『旧文通費』の見直し議論の行方に注目したい」とし「そのためにも党の空気を入れ替えてくれる人に再生を託したい」と期待した。
安曇野市穂高の会社経営の男性(74)は「派閥が解消し、新人も含めていろんな人が総裁選に挑戦できるようになった」と裏金問題に対する党の取り組みを一定程度評価。その上で「しがらみのない候補に期待したい」とした。
松本市・東筑摩郡区選出の青木崇県議会議員は「党の信頼回復へしっかりと道筋を示すことが第一」と強調。一方で「総裁選の争点に地方目線が少ないのではないか」と指摘し「東京一極集中が進む中、地方再生の議論は待ったなし。もっと前面に出して議論を深めてほしい」と注文した。