かかしが守る実ったお米と地域の交通安全 塩尻の赤須等さん願い込め設置
かかしが守るのは、実ったお米と、地域の交通安全―。塩尻市塩尻町の赤須等さん(80)はマネキン人形や服など不用品を再利用し、人間の姿にそっくりなかかしを2体作り、所有する稲田に設置した。信号機のない十字路交差点脇の田んぼで、真っすぐなまなざしの"2人"が歩行者やドライバーを見守っており、赤須さんは「交通事故の防止にも役立てば」と願う。
男性のかかしは、かさをかぶり、風車や釣りざおを持っている。風車は、切り開いたペットボトルに、光を反射させる銀色のテープを貼って作った。スズメなどの鳥を追い払う効果があるというカラスは黒いビニールで作り、さおの先端に付けた。女性のかかしは、自転車用のヘルメットをかぶり、ピンクのジャンパーを着せて目立たせた。右手に持つ風鈴が時折風に揺れて、「リン、リン」と鳴る。端正な顔立ちの人形は、息子の妻が美容師で、髪を切る練習に使った物だという。
かかしのある場所は、塩尻東地区センターの近くで、JRみどり湖駅と塩尻駅を結ぶ線路沿いの市道交差点付近。かかしに見られているという緊張感が、左右の安全確認や一時停止徹底の意識の向上につながることを期待する。赤須さんは「登下校中の子供たちが、かかしを見てくれている。『交通事故に遭わないように見守っている』と思ってもらえたら」と話している。