並柳団地に支え合い拠点 「なごみ」6日開所 住民主体で困り事解決へ

松本市並柳の県営住宅並柳団地の住民が団地の空き室で、集いの場や活動拠点となる「みんなの居場所並柳団地なごみ」を始める。団地の高齢化が進んで1人暮らし世帯が増える中、住民主体で運営して困り事相談に応じたり、有償ボランティアが家事をサポートしたりして暮らしを支え合う。6日に開所式を開く。
なごみはA2棟1階の12号室と21号室を利用する。床や壁を貼り替え、相談用の部屋を設けた。水曜日から日曜日まで開き、なごみの役員らが相談相手になるほか、有志がお茶を飲みながら過ごすこともできる。平日は午前9時、土日は午後1時にオープンし、午後4時まで利用できる。
ごみ出しや電球交換、簡単な料理、掃除といった家事支援、近隣スーパーへの買い物支援に取り組む。「軽度の家事支援は30分600円」のように料金を設定する。
県によると、並柳団地は499戸利用でき、入居は303戸。なごみによると、団地では少子高齢化が進んで住民同士のつながりが薄くなり、孤立化が課題になっていた。
県と提案者が共に事業をつくる県の県民参加型予算(提案・共創型)を活用し、改修費などに約540万円を確保。並柳商店街で「集い場ふらっと」を運営する労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団、松本大学などが活動の準備に協力した。なごみの江森一会長(68)は「子供からお年寄りまで多くの人に利用してほしい。一歩ずつ前に進んでいければ」と話している。