地域の話題

どう生きるか 命をかたる 僧侶・高橋卓志さんと声楽家・狭間壮さんが対話の会

病や命について語る高橋さん(左)と狭間さん

 それぞれステージ4のがんと闘いながら、祈りや音楽を通して平和や反戦を訴え続けている、浅間温泉神宮寺の元住職・高橋卓志さん(75)=松本市=と声楽家の狭間壮さん(81)=同=の対話の会「今・生きるということ」が11日、同市県1のマンマ・ミーアで開かれた。秋に予定した会を前倒して開催。闘病の中で命と向き合う2人が、残された日々をどう生きるか、社会に託したい思いと共に語った。

 対談、音楽、朗読、読経...。型にはまらない進行で、命の尊さや命を脅かす戦争、平和への願いなどについて言葉を交わした。高橋さんは「武器を置いてくれ/命を奪う愚かな行為をやめてくれ/この言葉を発し、行動する勇気を与えたまえ」と〝全ての仏〟に願う誓願を紹介。一人一人とその心を分かち合えるよう祈りを込めて、般若心経を読経した。
 狭間さんは反戦を願って長年続けたコンサート「一本の鉛筆があれば」に言及。健康状態を考慮して「将来の予定は全部断っている」としつつ、来年の戦後80年を平和への願いとともに迎えたいとの思いをにじませた。
 約50人が参加した。今、生きている喜びをかみしめながら、全員で「手のひらを太陽に」を歌った。