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国登録文化財 松本市内で新たに4件

旧横内医院

 国の文化審議会は19日、松本市の「旧犬飼呉服店店舗兼主屋」(大手4)、「旧犬飼呉服店土蔵」(同)、「旧横内医院」(島立)、「宮海道堰堤」(入山辺)の4件を登録有形文化財として登録するよう、盛山正仁文部科学相に答申した。正式に登録されれば、市内の国登録有形文化財は78件になる。

 旧犬飼呉服店店舗兼主屋は昭和前期に、東町通りの角地に建てられた。店舗兼主屋は町屋で、石造り風の外観が街路景観の近代化を物語る建造物として評価された。主屋の背後に建つ土蔵は明治6(1873)年に建てられ、重厚で均整のとれた外観の屋敷構えとなっている。
 旧横内医院はアルピコ交通上高地線・大庭駅の南に位置し、昭和7(1932)年に建てられた。診療室、薬局のしつらえを残し、地域医療の歴史を伝える建物だ。主屋は住居として現在も使用されていて、住人の横内孝子さん(63)は「祖父が建て、建築について細かく記した当時の資料が今も残っている。建築に関わった人たちに感謝したい」と話している。
 薄川の宮海道堰堤は昭和14(1939)年に県が砂防施設として建設した。高さ15メートル・長さ34メートルで、国内最初期のアーチ式砂防堰堤として評価された。
 県内ではほかに4件が国登録有形文化財に登録される見込みで、計647件となる。