教育・子育て

小中学校の学習端末が更新期 負担重く各自治体が対応苦慮

松本市の小中学生が使用しているタブレット端末。令和8年2月にリース契約が終了する

 文部科学省の「GIGAスクール構想」で全ての小中学生に1人1台配備されたタブレットやパソコンなどの学習端末が更新期を迎え、中信地域の自治体が対応に苦慮している。端末はバッテリーの耐用年数(4~5年程度)から更新が必要で、松本市は来年度に5年間のリース期間が終了する。端末を購入した安曇野市と塩尻市も令和8年度中の更新が迫られており、市費負担が課題だ。

 GIGAスクール構想は令和元年に文科省が打ち出した。新型コロナウイルスの感染拡大でオンライン学習への対応が急務になり、端末1台当たり4万5000円を上限に国が補助し、4年3月までにほぼ全自治体で配備した。
 松本市は小中学校で1万8790台が配備され、リース契約料金(5年間)の市負担額は8億4200万円に上る。約7500台の端末を購入した安曇野市は約1億1200万円、約4600台を購入した塩尻市は約5700万円を市費で負担した。
 文科省は既に更新費用を国負担とする方針を固め、1台当たり4万5000円を上限に補助するとした。更新対象台数の3分の2が国の補助で、3分の1は地方交付税で措置する。ただ、物価上昇を背景に市費負担額は増額するとみられ、ソフトや設定費用を合わせると1台当たりの単価が上がる可能性がある。
 更新で生じる大量の端末処理も課題だ。松本市はデータを消去した上でリース会社に返却し、安曇野市と塩尻市は適正な事業者でリサイクルを検討している。松本市教委学校教育課は「デジタル教科書の活用やオンライン学習など、端末はなくてはならない存在になっている。初めて迎える更新なので、市費負担額を慎重に検討し、来年度当初予算に計上したい」と話している。