政治・経済

臥雲市長の所信あっさり 2期目の初定例会で言及9分 4年前の半分で市議「物足りない」

2期目最初の定例会で所信を述べる臥雲市長

 松本市の臥雲義尚市長は10日、市長選で再選されて初めてとなる市議会定例会の開会あいさつで所信を述べた。演説時間は提案説明を除くと9分程度で、就任間もない4年前と比べると時間、テーマ数ともに約半分にとどまった。複数の議員から「物足りない」との声も聞かれる。17~19日の一般質問では多くの会派が市長の政治姿勢をただす方針だ。

 臥雲市長が言及したテーマは▽子ども・教育政策▽中心市街地再活性▽市役所新庁舎建設▽犯罪被害者等支援条例―の四つ。選挙公約に掲げた3歳未満児の保育料の2人目以降無償化は「遅くとも来年4月には実施できるよう準備を進める」。新庁舎建設では選挙スローガンに触れ「市民サービスの提供拠点をより身近に設け、本庁舎の規模をできる限りスリム化することを基本として協議を前に進めたい」と意気込んだ。議員からは「どっしりと構えていて意気込みが伝わる」との評価が聞かれた。
 ただ、4年前の6月定例会では8項目の市政課題の考え方を18分にわたり力説したのに対し、今回は4項目で、2期目の4年間を俯瞰した施政方針の説明はなかった。決意については4月の臨時会で「全身全霊で市政運営に当たる。共感と納得を得て三ガク都のシンカにまい進する」などと述べるにとどまっている。議員からは「肩透かしだ」との声も聞かれた。
 今回の一般質問では、市長の政治姿勢が焦点の一つとなる。「共感と納得」を得る手法、初当選直後の会見で「(任期の)年限は2期8年」と答えたことの現状認識、政府に対する中核市としての向き合い方などさまざまな観点から質問がされる見通しだ。
 ある議員は、臥雲市長が初当選時より得票数を減らし僅差で再選されたことに触れ「市長選を振り返っての発言がない。どう感じているのか聞きたい」と話した。