朝日村小野沢の特定空き家 倒壊の危険

朝日村は21日、放置すれば倒壊などの危険がある「特定空き家」とみられる小野沢の県道沿いにある旧民家1件の調査(空き家診断)を行った。20年近く空き家で一部倒壊が始まっており、調査した建築士が特定空き家として診断し「道路の通行妨げや近隣への影響を及ぼす危険性が非常に高い。早急に対処すべき」と指摘した。村は6月の村空家等対策協議会で報告し、略式代執行で解体する方針だ。代執行による解体は昨年行った西洗馬の特定空き家に続き2例目。
空き家対策に専門家を派遣する県の事業を活用し、県建築士会松筑支部所属の2級建築士・澤地和宏さん(47)が診断した。外観を見ながら建物の状態、道路や隣接の民家への影響などを確認し、調査票を記入していった。旧民家は木造平屋瓦ぶきで、南側は一部倒壊し道路に面した北側は道路側に傾いている。
澤地さんは県内全域で空き家が増加している現状を踏まえ「所有者や相続人が管理することが望ましいが、遠方などで管理が難しい場合もあると思うので、空き家所在地の自治体窓口に相談してほしい」と話した。
調査に立ち会った村建設環境課職員によると、所有者の死亡により空き家となり、近隣住民から危険を指摘する声が寄せられていた。敷地内は昨夏まで地域のごみステーションとして使われていた場所だったが昨夏に利用をやめ、村がパイロンを設置し注意喚起している。
村内では110軒の空き家が確認されている(3月末時点)。村は本年度新たに、老朽化した空き家の解体費を一部助成する事業を始め、これまでに2件の申請を受け付けた。村建設環境課は「継続した空き家対策を進め、住民の意識向上にもつなげたい」としている。