政治・経済

塩尻市の自転車用ヘルメット購入補助 申請の7割が高校生世代 都市大塩尻高は着用義務化

自転車通学の生徒に、ヘルメットの着用の大切さを呼びかける生徒会役員

 塩尻市の自転車用ヘルメット購入費補助事業で、高校生の申請件数が増加傾向にある。昨年度は16~18歳が28件で、総件数125件の2割ほどだったが、本年度は5月15日までに27件と、全体の40件の約7割を占めている。市は、市内の東京都市大学塩尻高校が本年度、自転車通学の生徒のヘルメット着用を完全義務化したことが大きな要因とみている。

 都市大塩尻高の生徒会は16日、市や塩尻警察署とともに、登校してきた生徒らにヘルメット着用を呼びかける啓発活動をした。生徒会長の神原愛梨さん(17)=3年=は「ヘルメットをかぶって髪形が崩れることを気にする高校生もいるけれど、事故に遭わないために着用は必要。学校の決まりになれば、みんなかぶると思う」と話していた。
 同高は、1年生の入学時からの着用を徹底。2、3年生は1学期を準備移行期間として夏休み明けまでに完全化する。各学年約250人のうち、3割弱の80~90人が自転車通学だという。阪本勝利校長は「生徒たちの命を守るために、着用を強制することにした」と話す。
 こうした動きについて市都市計画課は「校則にすることで着用率の向上が目に見える」とみる。高校生のさらなる着用率アップを目指して、塩尻署と連携して啓発活動に力を入れていく。
 昨年4月に道路交通法でヘルメット着用が努力義務となった。市は12月に、市内在住の16~18歳と、65歳以上を対象に購入費補助制度を開始した。
 塩尻署によると、自転車関連の交通事故は管内で今年5件(15日現在)起き、昨年同期比で2件増加。車との衝突事故が目立ち、注意を呼びかけている。