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土井尻でもにぎわい創出 松本城三の丸エリア

県建築士会松筑支部が考案した組み立て式のブース。イベント時に空き地に設置して使う

 松本市が定めた松本城周辺のまちづくり指針「松本城三の丸エリアビジョン」に基づき、10の界隈でにぎわい創出に取り組むプロジェクトが本年度、新たに土井尻(大手3周辺)界隈でも始まることになった。休憩所や小物の展示などに使えるユニークな特製ブースを空き地に置き、使い勝手の良い界隈としての魅力をPRする社会実験で、県建築士会松筑支部が地元と協力して取り組む。

 プロジェクト名は「まちなかリビング」。木製パネルを組み立てて椅子やテーブル、棚などを置く半個室の6畳間のブースを同支部が考案。6~7日にお城前で別団体が開いた飲食イベントに貸し出して初披露し、外堀大通りに面した駐車場で組み立てて設置した。
 すると早速、ブース内でビールを飲みながらお城を眺めてくつろぐ人の姿が見られた。「リビングみたいに人々が寄り添う空間装置をゲリラ的に出していきたい」と山田健一郎支部長(60)は話す。6月には市立博物館前で、ブースを使ったワークショップを開く計画だ。
 土井尻界隈は、お城南の大名町通り西側一帯の住宅街で、駐車場などの空き地が点在している。かつては印刷所、はんこ店などの小規模店が混在し、仕事場と住まいの垣根がない「職住近接」のまちだったという。そうした特性を生かした地域活性化を手伝えないかと同支部が仲間にアイデアを募り、多目的に使えるブースを設計、製作した。
 今後、土井尻界隈で何かイベントができないか地元住民と話し合う方針だ。同支部でまちづくりを担当する野口大介さん(57)は「郊外にはない使い勝手の良いまちの魅力を体験してもらい、ここに住みたいという思いにつながればいい」と期待している。
 市が支援する界隈プロジェクトの社会実験は、女鳥羽川や上土・緑町など6カ所で始まっている。

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