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一期会に農水大臣表彰 森林整備20年間 塩尻・朝日で130ヘクタール

受賞を百瀬市長(右)に報告した古田会長(右から2人目)とメンバー

 平成16(2004)年から森林整備に励む塩尻市の任意団体・一期会は、公益社団法人国土緑化推進機構(東京都)が表彰する令和5年度緑化功労者のうち、最高賞の農林水産大臣賞を受けた。これまで同市や朝日村で間伐を進め、里山の機能を回復しており、面積は約130ヘクタールに及ぶ。国土緑化運動に長年貢献し、功績が特に顕著であったと評価された。

 平成年に県が主催した林業の体験講座を受けた人たちと賛同者で結成し、16年に活動を始めた。荒れ果てた身近な山の現況を知り「自分たちも何か行動しよう」という思いが発端だった。現在は塩尻市片丘に拠点を置き、同市や松本市、岡谷市などから約40人が参加。間伐で里山を整えたり、工作教室を通して木や森林に親しむ機会を設けたりしており、県森林づくり県民税(森林税)も積極的に活用する。
 森林整備は主に宗賀の平出遺跡公園周辺の民有林で取り組んでいる。会長の古田今朝芳さん(76)=塩尻市広丘野村=は「(間伐した)木は林内に放置せず、使い切るのがモットー」と話す。まきやクラフトなどに活用するほか、森林資源を有効活用する「信州F・パワープロジェクト」にも供給している。
 農林水産大臣賞を受けたのは塩尻市の団体、個人としては初めてで、このほど市役所を訪れ、百瀬敬市長に報告した。表彰式は5月26日、岡山県で開かれる全国植樹祭で行われる。古田さんは「受賞を今後の活動の励みとしたい。刺激を受けて加わるメンバーが増えてくれれば」と願っている。

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